オンライン講義での集中力を高めるには?
誰の監視下にも入らないオンライン講義では、対面授業よりも集中することが難しいとされています。
では、どのようにして受講者の集中力を高めながらオンライン講義を進めていけば良いでしょうか?
本日は、学びと教育のゲーミフィケーションの開拓者として世界を代表するKarl Kapp氏の記事を紹介しながら、オンライン講義で受講者の集中力を高める方法について紹介します。
頻繁にテストをすることがその1つの方法です。
ある研究によると、オンラインでの講義に小テストを加えたところ、受講者の集中力が高まったり、ノートをとる量が増えたり、学習内容の記憶が強化されたりという効果がみられたそうです。これは、テストされるという意識があると、講義をより注意深く聞くようになるためであると考えられています。
「私たちの実験では、講義中でぼんやりをしていたか学習者に尋ねたとき、講義の時間の40%ほどぼんやりをしていたと答えられました。それは重大な問題です。」
実験
ハーバード大学の研究者による研究
・学習者は21分間の動画から学ぶように求められました。
・動画は4つのセグメントに分けられて、間に休憩を挟みました。
・学習者の全員はいつでもテストをする可能性があると言われました。
・休憩中、学習者は1分間ほど、数字の問題を実施するように求められました。
・その後、3つのグループのいずれかに割り当てられました。
グループ1(テストされないグループ):さらに2分間で数字の問題を実施しました。
グループ2(テストされたグループ):2分間のクイズを実施しました。
グループ3(復習したグループ):質問と回答を見て復習しました。
・最後に、全員の学習者が最終テストを受けました。
結果
・グループ2(テストされたグループ)はノートをとる量が多く、ぼんやりしていた時間は少なくなりました(40%から19%に下がりました)。
・グループ2(テストを受けたグループ)の最終テストの結果は一番高かったです。
・グループ2(テストされたグループ):90%正解
・グループ3(復習したグループ):76%正解
・グループ1(テストされないグループ):68%正解
・グループ2(テストされたグループ)の方は、他の2つのグループより、最終テストに対する不安が少なかったです。
研究者の解説
今回の結果は、テストが学習を促進するという認知メカニズムを際立たせるものです。
テストを行うと、タスクに関係ない活動(ぼんやりする)よりも、タスクに関連する活動(ノートをとる)が促進され、講義内容への注意を持続させることができるので、結果として学習が増進されます。
重要なのは、テストによる学習効果が、テストに対する懸念が減ること(テストの形式に慣れたり、前のテストの結果がよかったりしたことなどによる)、およびテストの認知負荷を主観的に予測することにより得られるということです
また、テストをされることに抵抗がなくなれば、さらに効果があるようです。eラーニングなど、オンラインで行われる学習に必ずといっていいほどテストが付いていることには理由があるのです。
活用
次回オンラインコースの開発を検討する時、動画レクチャーを含める場合は、各セクションの後に小さなテストまたはクイズを追加することを検討してください。
(この実験では、テストには6つの質問が含まれていました。)
また、この調査に基づくと、クイズをする前に約5分間の学習するのは適切だったようです。
※この記事は、元記事の一部の概要を紹介するものです。正確な内容はオリジナルの記事をご参照ください。
講義中にテストを行うことで、学習者の集中力を高めることができるという結果でした。
一方的に講師が話をするのではなく、受講生にアウトプットさせることで、受講生の講義に参加している気持ちを一層高めることができます。
UMUでは、オンライン講義中に簡単に受講生に試験を出題できる機能や質問を投げかける機能がございます。
また、私たちはオンライン研修を成功させるためのコツや、効果的な学習設計の仕方などのノウハウを持ち合わせています。
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