オンライントレーニングの効果を高めるには?

4月の新入社員研修のオンライン化に急遽舵を切られた企業様、中長期的な視点で集合型の研修形態をオンライン化へ移行検討されている企業のご担当者様に向けて本記事をお届けいたします。

企業で人材育成やトレーニングを担当している方は、予算&時間&リソースの不足など、トレーニングを提供する上で様々な課題に直面しながら、どのようにして効果的なプログラムを開発し、現場で活躍できる人材を育成するかに常に悩まされているのではないかと思います。本記事では、オンライントレーニングのエンゲージメントや、オンライントレーニングの効果をどのように高められるか、Denise Fullowan氏、Cari DuBose氏、Chuck Corso氏がLTENに寄稿した記事から一部抜粋してご紹介させていただきます。

キーワード

  • エンゲージメント
  • 学習者を巻き込むインタラクティブな要素
  • フィードバックと評価
  • メンタリング
  • リーダーの巻き込み
  • 期待値の設定

トレーナーとして、私たちは従業員のエンゲージメントを高め、最終的にはパフォーマンスを向上させるために、様々なトレーニングを提供することにチームで挑戦していかなければなりません。

従業員のエンゲージメントとは「従業員が組織とその目標に感情的にコミットすること」と、フォーブス誌では定義されています。

感情的なコミットメントとは、従業員が自分の仕事と会社の理念や目標に情熱を持って取り組んでおり、純粋に気にかけていることを意味します。彼らは、次の給料や昇進をただ漫然と待っているのではなく、組織の目標にコミットし、組織とともに成長したいと考えているのです。

 

UMUの記事『オンライン上で学び合う文化を創る8つのポイント』では、オンライン上で、お互いに自律的に学び合う文化を作るにはどのようなアプローチが有効なのか。という点について紹介しているので、ぜひご覧ください。

インストラクターによるバーチャルトレーニング

インストラクターによるバーチャルトレーニング(VILT)は、時間的な制約や予算の壁を克服するのに成功した戦術の一つであることがわかっています。

バーチャルセッションで提供される主なトピックは、製品や販売スキルの基礎、最新情報、さらに、効果的なコミュニケーションや、時間管理、交渉術など、ソフトスキルを向上させるためものがあります。

バーチャルトレーニングは、既存のコンテンツから始まり、学習者を巻き込むインタラクティブな要素を使用して、コンテンツの応用にフォーカスすることができます。

目標は、受講者の具体的なニーズに基づいて、必要な時に、必要な場所で、適切な役割に適切なトレーニングを提供することです。これにより、学習者は自分の仕事に必要な知識や応用技術を素早く身につけることができます。ベンダーパートナーを特定することで、タイムリーで費用対効果の高い方法で適性マップや学習計画を開発することができます。

他に興味を引くことが多く気が散ってしまうバーチャルな環境では、参加者を飽きさせないために、様々なツールを使い、創造性を発揮する必要があります。大人の学習者が参加し続けるためには、興味深く、関連性があり、有用で魅力的なデザインが必要です。

具体的な目標を設定することで、プログラムは全体的に望ましい学習成果を達成することができます。

効果的なトレーニングには、受講者が日常的に遭遇する顧客とのやりとりから得られる、意味のある教訓が含まれている必要があります。受講者の好みやスタイルを考慮したバーチャルセッションの設計を行うことで、興味を引き続けることができます。

最終的には、トレーニングによって得られる行動の変化が、受講者のパフォーマンスとビジネス成果を向上させることになります。

グループ別のディスカッション、意識調査、ビデオベースの学習、ベストプラクティスの共有、教え合いを含むバーチャルトレーニングセッションは、学習者の参加を促し、学習の移行を支援するのに役立ちます。バーチャルトレーニングセッションの後には、学習を強化するための職業支援(パフォーマンスサポートツール)が配布されます。

フィードバックと評価

フィードバックは、プログラムの目的や成果の策定と同様に重要です。

バーチャル・トレーニングの後には、参加者にデジタルのアンケートを送付して、トレーニングプログラムに対する評価を回答してもらうことができます。

カークパトリックの評価モデルは、質問を作成する際の良い基準となります。

回答は集計・分析し、今後の研修プログラムの修正や改善に利用します。

研修のメリットや価値を評価し、組織に投資の効果をもたらすことを目的としたプログラムの評価は、上級指導者にとって重要です。

最終的に、学習の転用は、まず知識が参加者の職場に適用され、転用されることが重要です。

 

指導者と参加者で双方向にフィードバックを実施することは、講座の質の向上だけでなく、参加者の主体性発揮、エンゲージメント、理解度促進にもつながります。UMUの記事『【UMU活用レベル2】オンライン集合型研修に双方向性を取り入れる』では、トレーニングプログラムに双方向性を取り入れるためのチェック項目や実践例などを紹介しているので、ぜひ合わせてご覧ください。

ミレニアル世代のトレーニングに関して言えば、彼らの最大の関心事は、「自分には何が関連しているのか、自分にどのような影響があるのか」ということです。彼らは、ただ単に働きたいのではなく、自分たちの努力がどのようにして大きな絵の中に組み込まれるのかを知り、理解したいのです。

ミレニアル世代は、トレーニングが自分や仕事にどのように適用されるのかを理解しなければ、トレーニングに参加できません。テクノロジーはこの世代の大きな部分を占めているため、トレーニングはEラーニングと実地研修の両方をミックスしたものであるべきだと考えられます。

Eラーニングは、従業員のエンゲージメントを維持するために重要であり、さらに、個人のペースで学習を続けられることも重要です。ゲーミフィケーションは、ミレニアル世代が慣れ親しんだソーシャル・コラボレーションと報酬システムを促す素晴らしい方法であり、Eラーニングにも取り入れるべきです。

Eラーニングやゲーミフィケーションに加えて、トレーニングには、ミレニアル世代が有意義な形で関係を持てるように、関連性のあるストーリーと一緒に、有益かつ楽しいインフォグラフィックやビジュアルを含めるのが望ましいです。

ミレニアル世代をトレーニングするためのもう一つの重要な要素は、メンタープログラムを持つことです。メンタリングは、手本を示して指導する素晴らしい実践であり、ミレニアル世代は、上司よりもコーチやメンターの方が好感が持てるのです。

人は、教室で教えられた内容から学ぶよりも、経験を通して学ぶ方が知識をより保つことができます。トレーニングのこれらの側面のすべてが横展開されると、その結果は組織とその中にいる人々の両方にとって素晴らしいものになります。

 

UMUの記事『【情報まとめ】新入社員研修のオンライン化について』では、これからの新入社員研修の在り方を動画で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

ベテラン営業担当者のトレーニング

ライフサイエンス企業が直面しているもう一つの共通の課題は、経験豊富な営業担当者への「トレーニング」です。

セールストレーニングの世界では、経験豊富なベテランの営業担当者は、トレーニングが自分たちに役に立つのかどうか確信が持てないことが珍しくありません。彼らは、教室での追加トレーニングに価値を見いだせず、現場に出て販売をする方が良いと考えています。

ターゲット層を理解することから始め、担当者をより効果的に巻き込み、トレーニングに参加させる方法があります。なぜこのような担当者がトレーニングに抵抗感を示すのかを理解することです。よくあるシナリオとしては、以下のようなものがあります。

  • “壊れていないなら直すな!”
  • 以前に営業研修を受けたことがある
  • 以前の研修はそれほど有益なものではなかった
  • 時間の無駄だと感じている
  • 自分たちはすでにシステムを知っていて、何が一番効果的なのかを知っていると感じている
  • 自分たちのやり方に囚われている
  • トレーニングは、現場の外に連れ出してしまう
  • セールストレーナーが何を教えてくれるのか疑問に思っている

彼らが躊躇している理由を理解したら、市場の変化に合わせたセールススキルを学ぶことで多くのメリットがあることを指摘することが重要です。10~15年前にどのように訓練されていたかというと、おそらく今日の環境と同じではないでしょう。バイヤーは、担当者と接触する前に、販売プロセスの中で、より多くの情報を得ています。今日の変化に対応した新しいスキルやテクニックを学ぶ必要があります。

リーダーの巻き込み

最初から経営幹部のリーダーを巻き込みます。研修の目的、目標、プログラムから期待される結果について、リーダーが理解していることを確認します。研修開始前に、なぜ研修が重要なのか、なぜ営業担当者を巻き込んでほしいのかを話し合ってもらいます。

期待値の設定

明確で簡潔な期待値を設定する。営業担当者が研修プログラムの価値を理解するためには、研修開始前に、望む目標と結果を強調するための効果的なコミュニケーションが重要です。

担当者の参加、関与を促す。研修に消極的な担当者がいることが事前に分かっている場合は、セールストレーナーにそのような人にプログラムを手伝ってもらうように依頼します。彼らの経験やベストプラクティスを共有し、トレーニングに参加させるだけでなく、現実世界のシナリオを議論するように依頼します。

参加と関与を高める

参加と関与を高める。経験豊富な担当者を一流のプロアスリートのように扱いましょう。トップアスリートは通常、そのスポーツの中で最もハードに働く人々です。あなたがこのコンセプトを抵抗のある担当者に伝えることができれば、彼らはトップパフォーマーであっても、もっと良くなるということを理解するでしょう。

創造的でユニークなものにする。同じ古いトレーニングプログラムを繰り返し使用することは、陳腐で非生産的になります。トレーニングの専門家は、スキルの育成と採用には、学習者の積極的な参加が必要であることを認識しています。教育、ディスカッション、インタラクティブなロールプレイを適切に組み合わせることで、受講者の参加を促すことができます。チーム活動、アバターゲームや競争コンテストなどのようなものは、通常、訓練への関与と情熱を育みます。

参考記事:https://www.l-ten.org/page/focus_spr18_pg31

※この記事は、オリジナル記事の一部の概要を紹介するものです。正確な内容はオリジナル記事をご参照ください。

その他各種お問合せはUMUカスタマーサクセス(cs@umu.co)までご連絡ください。

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