研修を実践に活かすためのポイントとは?受講者/講師目線で紹介!

せっかく時間をかけて研修を受けたのに、すぐに忘れてしまうという方はいませんか?

ある研究では、学習の約30%未満しか仕事に活かされていないという結果が出ており、言い換えれば、学習の70%は無駄になっている可能性があるということなのです。

このようなデータに対し、多くのトレーナーや人材育成担当者は、より良い研修を設計して提供することが大事だと考えるでしょうが、残念ながら、それでは問題を解決できないのです。

当記事では、研修をインプット型から、知識をいかに応用し、どうやって学習を仕事に転用するかということを説明します。

 

UMUの記事『研修プログラムの作り方を徹底解説!必要な4つのフローを説明』では、研修プログラム作成のフローや、プログラムの具体例などを解説しているので、ぜひ合わせてご覧ください。

研修を活かすための3つのポイント|受講者目線


「研修を受けても、身に入らない」

「研修では簡単にできたけど、実践ではうまくいかない」

「学んでもすぐに忘れてしまう」

 

このような悩みをよく耳にしますが、実は研修を受けて何も行動しない人が陥りやすい状況なんです。

研修を実践に活かすために、下記の3つのポイントを紹介します。

 

  • 目標を立てて研修に臨む
  • 研修後、学んだことをできるだけ多く経験する
  • 講師や上司とのコミュニケーションを増やす

 

目標を立てて研修に臨む

まず、研修を受ける際には、「研修を受け終わった自分」を想像し、どんな自分になりたいかできるだけ具体的な目標を立てましょう。

目標があれば、モチベーション向上にも繋がり、より真剣に取り組むことができます。

また、ビジョンが見えていることによって、その研修のなかで「これは学びたい」というのが明確になり、自ずとやるべきことも見えてきます。

 

反対に、目標がなければダラダラと受けるだけの「作業」になってしまうので、いざ実践に移る際に研修内容を忘れてしまい、活かせないという結果になります。

研修後、学んだことをできるだけ多く経験する

これは、研修(インプット)の内容をできるだけ、実践(アウトプット)することによって、反復演習ができ、身についていくというものです。

人間は頭で覚えた知識の殆どを1週間後には忘れてしまいます。

忘れる前に経験を多く積み、身体に覚えさせることが重要です。

講師や上司とのコミュニケーションを増やす

「実践を積むことが大事」とお伝えしましたが、そのために上司や講師の方の協力は不可欠です。

 

たとえば、研修前に自分が持っている目標があったとして、上司の想像しているゴールと真反対のところにある場合はうまくいきません。

事前に目標を伝え、軌道修正し、その仕事を多くこなせるように事前にお願いしましょう。

また、明確な目標を上司が知っていることによって、的確なアドバイスをもらいやすくなります。

 

スキルアップや今後のキャリアのためにも、コミュニケーションは密に取ることをおすすめします。

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研修を活かすための3つのポイント|講師目線

研修が実践に活かせないのは、受講生の責任だけではありません。

受講生が充実した研修を行えるように、下記の3つのポイントを抑えておきましょう。

 

  • 研修の設計・準備を入念に行う
  • 研修の効果測定を行う
  • 受講者へのフィードバックやフォローを行う

 

詳しくみていきましょう。

研修の設計・準備を入念に行う

効果的な研修を行うためにまず重要なのが、研修の設計です。

綿密な設計が行われていない研修は、目的や目標がぼやけてしまい、受講者側もビジョンが想像しづらく、目標が立てられなくなってしまいます。

前述の通り、実践に活かせない作業のような無駄な時間になってしまうのです。

そのため、研修を設計する際には、スケジュールやツールの準備はもちろんですが、数値などを用いてできる限り具体的に設計し、抽象的な到達目標の設定は避けるようにしましょう。

 

UMUの記事『研修資料の作り方3STEP|見やすくて伝わる研修資料作成のコツ』では研修をインプット型から、知識をいかに応用し、どうやって学習を仕事に転用するかということを説明しているので、ぜひ合わせてご覧ください。

研修の効果測定を行う

研修をやりっぱなしにして効果測定を行わなければ、研修の効果や受講者の成長、研修の課題が把握できず、あまり効果のない研修を無意味に続けていくことになります。

その状況を避けるために、たとえば、受講者に研修後アンケートを研修直後と、実践後に書いてもらい、実践に活かせた研修内容や、逆に役に立たなかったポイントなどを具体的に洗い出し、充実した研修になるように改善していきましょう。

受講者へのフィードバックやフォローを行う

最後に必ず行わなければならないのが、研修の振り返りです。

研修の受講者が、研修開始前に立てた目標に対する達成度を測ることは、本人の成長に大きく影響してきます。

さらに、課題を具体化してあげることによって、今後の行動が明確に理解ができ、仕事のモチベーションUPにも繋がるでしょう。

 

研修内容をより深く理解し、実際の業務に活かすためにも、フォローアップ研修を行うのがおすすめです。UMUの記事『フォローアップ研修を行う目的は?おすすめの内容とカリキュラム3つ』では、フォローアップ研修を行う理由や、どんな内容がベストなのかを詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

研修を成功させるための3つのテクニックとは


the challenge is to change the training design focus from input of new knowledge to application, or learning transfer.

ここからは、Ian Townley氏とJason Durkee氏がATDマガジンに寄稿したコラムをご紹介させていただきます。

テクニック1:学習を仕事に適用させようとする学習者の心を理解する

研修を構築するとき、学習者が物足りなさを感じたり、圧倒されたり、簡単すぎたり、難しすぎたり、繰り返しに疲れたり、変化の多さに混乱したりしないように常に慎重にデザインしています。

 

しかし、焦点を「学習の適応」に移す前は、学習者が学んだことを仕事に適用させるときにどのように感じ、考え、行動するかを完全には理解していませんでした。

学習の適応を改善するのにもっとも重要なのは、学習者が仕事で何をしているのか、心の中で何が起こっているのかを理解することだと、時をかけ気づきました。

 

学習者たちは、「学んだ技術を使うべきだろうか?いや、今は忙しすぎる。今度にしよう。」とか「研修で学んだこと…覚えてないから、いつものやり方でやろう。」などと思っているかもしれません。

また、「研修で学んだ技術を試してみたいけど、まだ自信がない。」と考えているかもしれません。

 

学習者の行動を観察し、仕事をしているときに話を聞き、学習者の立場に立って考えることが、「学習の適応」を始めるのにとても効果的な方法です。

テクニック2:一般的な適応の問題点を特定する

学習者が学んだことを仕事に活かす上での問題を理解し始めると、学習したことを行動や結果に反映できないのは、学習者が怠けていたり努力していないことが原因ではない、とすぐに気づきます。

 

よく観察すると、いくつかのパターンがあることがわかります。

 

  • 覚えることが多すぎて、全てを覚えていられない。
  • そのスキルを習得するのに多くの練習が必要な場合、練習する機会がないためにスキルの向上ができない。
  • 考え方を変えなければならない場合、学習したことが本当にできるかどうか疑問に思ったり考え込んだりしてしまう。

 

何十年にも渡る経験を通して、トレーニングの種類に応じて、それぞれ特有の学習の適応における障害があることがわかってきました。

直面する可能性がある問題を特定できたら、それに対処する計画を立てることができます。

テクニック3:学習の転用の問題と解決策をマッチさせる

学習者が学んだことを仕事に転用する際に直面している問題を特定したら、それを回避するように戦略を立てるのは驚くほど簡単です。

 

  • 学習者が内容を忘れてしまう場合は、一定間隔を開けて何度かリマインドメールを送る。
  • 学習者が新しいスキルを使う機会があまりない場合は、管理者を巻き込んで、練習できる機会を作ってもらう。
  • 学習者がより高いレベルのスキルを身に着ける必要がある場合は、スキルの練習のフォローをする。

 

幸い、学習の転用の問題を理解していれば、正しい問題解決の方法を選択することはかなり明確になります。

 

人材開発の専門家として、私たちは、学習者がスキルを伸ばすのを手助けするだけでなく、そのスキルを仕事に適用させ、結果に結びつくように手助けをする必要があります。

多くの場合、学習プログラムは成功していますが、学習の転用・応用に関しては改善の余地があります。

 

上記の3つのテクニックが学習の適応の問題に対する対策を始めるきっかけになり、組織にとって良い結果に繋がると幸いです。

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UMUの記事『会社の研修がつまらない!社員の本音に企業は対応すべき?』では、企業研修のリアルな声としての「つまらない」にフォーカス。参加者にとって「最後まで面白く取り組める研修」というものをテーマに取り上げていますので、ぜひ合わせてご覧ください。

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