研修のオンライン化で生産性が3倍! グループ会社への展開も可能に
日本通運株式会社では、2021年度の新入社員研修を機にUMUを導入し、オンライン型の研修を実施。その後、昇格に関連する通信教育や各種研修もオンライン型に移行し、海外でのトライアルも始めている。UMU導入の背景や国内外に拠点をもつ同社ならではの運営、今後の展望について、同社人財戦略部 NXグループユニバーシティ 課長 赤木和司(あかぎ・かずし)さんと同社人財戦略部 NXグループユニバーシティ 森川知春(もりかわ・ちはる)さんにお聞きしました。(2022年3月)
企業情報
社名:日本通運株式会社
本社所在地 :〒101-8647 東京都千代田区神田和泉町2番地
資本金:701億75百万円
設立年月日:1937年10月1日
ホームページ:https://www.nittsu.co.jp/
社内の不安の声を払拭し、2021年度の新入社員研修から活用
―2021年度の新入社員研修からUMUを活用しているそうですが、なぜUMUを導入することになったのですか。
森川:コロナ前から、研修・学習をオンライン化していかないといけないと思っていました。LMSは利用していたのですが、動画学習ができなかったため、動画で教育できるものを探していました。
赤木:他社のセミナーでUMUを使ってみたことがあり、使い勝手がよいと思っていました。掲載できるファイルに制限がないこと、社員以外も見られることなどに魅力を感じました。コロナ禍になり、20年度の新入社員向けに行ったオンラインの研修は、講師が一方的に講義を配信するもので、新入社員は画面を見ているだけでした。これではいけないと、21年度に向けて慌てて導入を決めました。
―導入にあたって、社内から不安の声や反対意見などはありましたか?
森川:「よくわからない」という意見をよく聞きました。説明してもなかなか理解してもらえなかったため、UMUのご担当者に直接説明をして頂きました。新しいものに対して懐疑的な部分もあり、費用に見合った価値を生み出せるか、納得してもらえるように説明しました。結果的に、当初よりも導入が遅れてしまい、3月後半ぎりぎりのタイミングでGoが出ました。
費用に見合う価値の説明は、事務的な工数が減ること、新入社員以外の研修にも活用できることを伝えました。
―新入社員研修は実際にどのようなかたちで行なったのですか。
赤木:研修センター内に運営本部と即席のスタジオを構えて、サブモニターなどで確認しながら研修を行いました。各地域の感染状況に合わせて、オフィスに参加者を集める地域と自宅から参加する地域に分けました。
さらに今回は、一部のグループ会社の新入社員も参加しました。これまでグループ合同で行う案はありましたが、今回オンラインになったことで、スムーズに実現することができました。
森川:実際に会ったのは、パソコンを渡したタイミングの1度きりの人もいますが、新入社員からは特に不安の声や問題もなく、実施することができました。ディスカッション機能やアンケート機能を使って、コミュニケーションの機会もつくれています。以前は、「研修担当者対新入社員全員」だった関わり方が、オンラインでやりとりを行うことで、必然的に1対1のコミュニケーションになり、距離感を縮めることができて良かったと思います。
また、直接関わりがある上司や人事ではなく、NXグループユニバーシティが新入社員をダイレクトにフォローすることができるため、新入社員が思っていることをそのまま把握することができたと感じています。新入社員にとっては、我々は会ったことがなく遠い存在かもしれませんが、他者の目を気にせず、コミュニケーションをとれることが良かったのかもしれません。また、研修後にオンラインによるランチ会なども開催し、雑談の機会もつくりました。オンラインでなければ話す機会が少ない、遠方の人同士のコミュニケーションも図れたと思います。
赤木:入社式は、通常は全国から東京に集めて行いますが、20年度、21年度はコロナの状況によって、数人~数十人で全国のオフィスに集合、または自宅からオンラインでの参加となりました。全国に拠点があるため、今後はこれまで集まっていた行事や研修の開催方式を見極めていくことが必要だと思っています。21年度の新入社員は、昨年フォローアップ研修でリアルに集まったときに、率先してコミュニケーションをとる人が多くいました。リアルで集まる機会も必要だと考えています。
森川:コミュニケーションの機会としてはリアルも必要ですが、理解度の差は感じられません。提出してもらった成果物から、習熟度を測っています。オンラインは、言わば、全員が最前列で受講しているので、聞かせる内容であれば、受講者も集中しやすいのではないかと思います。話し手の中には、対面の方が伝わると言う方もいらっしゃいますが、それは慣れれば解決するでしょう。
課長 赤木和司さん
PCを使わない職種でも問題なし。子育て・介護中の社員の参加も可能に
―新入社員研修以外には、どのようにUMUを活用していますか?
赤木:昇格に必要な研修を、一部通信教育で行っています。これまでは冊子のテキストを郵送していましたが、オンライン形式に変更しました。結果として、これまで郵送手配作業のために出勤しなければならなかったのが、不要になりました。
システムが変わるとマイナスの反応が多いのですが、混乱もなく、受講の完了率も変わりませんでした。
森川:この昇格に必要な研修の受講者の中には、パソコンを使うことが得意ではない、現場の作業員や40代以上の社員も多いのですが、全く問題ありませんでした。予め、質問を受けることを想定して、社内のネットワーク内にチャットボットを用意していたのですが、ありがたいことに利用がほとんどありませんでした。受けやすいカリキュラムにして、直観的に操作できる仕組みになっているからだと思います。カリキュラムは、これまでのコンテンツを一部編集して、オンラインで受けやすいようにしました。動画を導入したり、単元を細かく区切って短時間で受講できるようにしたりなど、工夫をしています。
赤木:また、これまで宿泊型研修も多かったので、受けたくても受けられない社員がいたのですが、在宅でも研修を受けられるようになり、子育てや介護をしている社員なども受けやすくなりました。環境を整えることで、それまで昇格を諦めていた社員が、チャンスを得られるようになったのです。
森川:採点は業者に委託していますが、自動で採点ができるため、コストと時間も削減できました。また、個別の問題に対する正答率や難易度も見られるようになったので、これからはそのデータに基づいたカスタマイズもできると思います。研修を主催する側にとっても大きなメリットがありました。
森川知春さん
社内での活用を加速。今後はデータを蓄積し、より業務に活かせる研修を提供
―オンライン化したことでどのようなメリットがあると感じていますか?
赤木:研修をオンライン化したことで、生産性が圧倒的に上がりました。新入社員研修は、以前は7人程で担当していましたが、昨年はほぼ2人で実施できました。電話対応や出欠確認、資料配布などが不要になったためです。
また、研修をどこからでも提供できることも強みだと思います。これまで、受講者はもちろん、提供側も研修センターに行っていました。オンライン化したことで、場所を選ぶことなく提供できるようになりました。
森川:データで管理できるようになり、蓄積されたデータを今後活用できることも大きいのではないかと思います。今まで、研修後のアンケート結果を基に、理解度や満足度を量っていました。今後は、UMUを使って、業務の中でどのように活かせたかを発信し合い、ナレッジを共有したいと思っています。さらに、それらを受講者の評価につながるよう、上司にフィードバックしていくことも考えています。
―逆に、オンライン化によってデメリットを感じることはありますか?
森川:リアルの場で集まりたい人も、年代問わず一定数います。通常は半数ほど、新入社員のアンケートでも5%ほど、「集まりたかった」という人がいました。オンラインだと個人的な雑談はしづらいので、深い関係が築きにくいのかもしれません。
赤木:これまで、研修は交流の場でもあり、研修センターは繋がりをつくるための場でもありました。学習をメインに考えるとオンラインのメリットが大きいのですが、交流も必要です。そのバランスや棲み分けはこれから考えていきます。
また、私たちの研修の固定概念を崩す必要があると思っています。これまで1泊2日で行うことが多かったのですが、半日や3時間など、短時間の研修も充実させ、より社員が受講しやすい研修の形も探っていきます。
―社内での評価、今後の拡がりについては、どのようにお考えですか。
森川:社内向けセミナーで、全社員にUMUを使って動画配信をしたので、UMUを導入していることは周知できました。興味がある人にはアカウントを共有し、自分が所管する部門の研修に活用してもらっています。今は「どう使えばいいのか?」「自分たちでできるのか?」などの問い合わせを多く受けています。元々、コンテンツは各部門で準備しているため、それをカスタマイズして使ってもらっています。
赤木:私たちはグループの教育を統括しているので「動画を配信したい」「OJTで使ってみたい」などの問い合わせはグループ各社から受けます。ただ、部署によってオンライン化の取り組みには差があります。昇格に必要な研修で使ったり、「これからの時代にはオンライン化が必要」と話したり、意識改革に努めています。
海外展開をトライアル中。グループ会社の連携も強化
―海外での展開もスタートしているそうですね。
赤木:トライアルという形で導入しています。全世界で同じ品質を保つために、海外も含めてどのように研修をしていくか検証しているところです。商品の知識を得ることを目的としたインプットの研修と、倉庫のSOP(Standard Operating Procedures:標準作業手順書)の確認で使っています。これまで、これらの研修については担当者が現地まで赴いたり、昇格に必要な研修などは、世界各地から東京に来てもらったりしていました。UMUで全てをできるようになれば、大幅にコストを減らすことができます。
現在は、ナショナルスタッフが研修プログラムの内容を理解できるかを測っています。言語は英語のみ、今後の状況により、中国語での展開も視野に入れています。
―ほかに、今後のオンライン研修についてのビジョンなどがあれば教えてください。
赤木:使ってみたいと思っているのは、AI音声スライドです。デモで使わせてもらって、社内では一定の評価をされています。
他にも、使いこなせていない機能が多くあると思うので、UMUの皆さんに教えていただきながら、効果が出る仕組みをつくっていけたら良いと思っています。
森川:NXグループでは「NXグループユニバーシティ」という企業内大学を設立し、グループ会社で連携して人財育成に取り組んでいます。UMUを使って、グループ会社の融合を図っていきたいと思います。今回の新入社員研修にも参加いただきましたが、オンラインだと垣根が低くなり、積極的に参加してもらえると実感しました。
研修を行っていると「何を受けたらいいかわからない」という声をよく聞きます。自分に必要な研修がわかると良いと思っています。受けた結果や受講データを蓄積して、把握できるようにしていきたいです。
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